運命の日⑤
罪悪感はなかった。
ほんの出来心だった。
一瞬だけ迷った理由は、2人を母乳で育てた後のしぼんだ胸と、妊娠線が残るお腹だった。
それを見せてしまった後は、久しぶりのトキメキを楽しんでいた。
そして、一線を超えた。
それから私の生活はガラリと変わったのだ。
それに気づくのはもっと先の話。
その晩、何もなかったかのように旦那の待つ家に帰り、何もなかったかのように、会ってもいない友達との作り話がスラスラと出てくる自分にびっくりした。
浮気ってこんなもんか。
と思った。
その裏で武田さんとの連絡を楽しむようになった。
「楽しかったです、ありがとう。」
「また会いたいな」
「私も」
そんなやりとりが嬉しくて、削除したくなかった。そしてLINEにロックをかけるようになった。