運命の日④
約束の日はやってきた。
12月だった。
普段からスカートよりパンツが多い私は、
結局悩みに悩んでパンツを選んだ。
スカートを選んで、気合が入ってると思われたくなかった。
でもしっかりムダ毛の処理は念入りにしたし、
お気に入りのネイビーの下着もつけていた。
5年ぶりの再会。
ドキドキしていた。
大きく深呼吸して電車に乗った。
待ち合わせ場所に着くと、すぐに彼を見つけた。
全然変わってなかった。
ホッとした。
それからたくさん話した。
お互い5年間。
そして、お互いの夫婦生活の話が1番話が膨らんだ。
普段、大して不満はないけれど、そういう時になると不思議と旦那に対する不満はでてくるもんだ。
それは彼も同じだった。奥さんに対する不満を聞いて、少し優越感を感じたりしていた。
そしてあっという間に時間がきた。
土曜日の夜は2時間制だった。
店を出ると、
「もう一軒行く?」と。
嬉しかった。
しかし、どこも予約でいっぱいで、入れなかった。
ふと、彼が私の手を取って、自然と手を繋いで少し歩いた。
「じゃー行こっか」と言った。
手を繋いだ時から心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うぐらいバクバクしていたけれど、その一言で一気に酔いが冷めた。
つづく。