モテる男はどっちか。
それから私と森田くんは順調に距離を縮めていた。穏やかな優しい性格の彼。
毎日夕方に、森田くんが帰宅する道中の電話が楽しみになっていた。
一方、坂井くんはひかるちゃんとゆみちゃん、両方と連絡を取っていた。
わたしは、ひかるちゃんからも、ゆみちゃんからも相談を受けていた。
坂井くんは、ひかるちゃんのパッチリ大きな目をした顔がすごくタイプだったみたいだけど、ストレートにモノを言う性格がめんどくさそうだと言った。
ゆみちゃんは俗に言う女に嫌われるタイプの美魔女で、わたしより6個も年上だがスタイル抜群。坂井くんは年上がすきだった。
そんなこんなでどっちにしようと贅沢にも迷った坂井くんが、森田くんに相談し、森田くんが私に相談してきた。
わたしは、森田くんを挟んでその相談にものっていた。
そのうちめんどくさくなった森田くんが、わたしと坂井くんと3人のグループLINEを作った。
3人のLINEでも、わたしと森田くんは
「どっちもいっちゃえばいーじゃんねー」
「俺はなっちゃんがいるからいいけどねー」
「わたしもー♡」
こんな感じで、坂井くんは
「おまえらウザいなー」
と笑って返していた。
坂井くんがどっちか決めたら、4人で飲みに行こう!と約束した。
ある日、坂井くんが
「なっちゃんーちょっと電話していいー?相談させてー」
と個別でLINEしてきた。
そして2人で初めて話した。
それがキッカケだった。
つづく。